おす!ばんさんです!
今回はどんでん返しオススメ映画、ミステリー編
『ゆれる』
の紹介です!
監督デビュー作品『蛇いちご』でもお馴染み西川美和監督の長編映画2作目
キャストにはオダギリジョー、香川照之・真木よう子と
超有名俳優でお届けする
大どんでん返しミステリーでございます!
知っている方も知らない方も、ぜひ最後までご覧になってください!
元脚本家のばんさんが独自の目線でこの映画のオススメポイントを紹介していきます!
では早速まいりましょう!
映画詳細
引用元:映画.com
制作国
日本
監督
主要キャスト/登場キャラクター
オダギリジョー / 早川猛(弟)
香川照之 / 早川稔(兄)
伊武雅刀 / 早川勇(父)
真木よう子 / 川端智恵子
上演時間
119分
あらすじ
母の一周忌で帰省した猛は、兄の稔と知人の智恵子と共に近隣の渓谷を訪れる。ところが途中、智恵子が吊り橋から転落。その傍らには兄がいた。兄を信じたい猛だが、疑念を拭いきれない。
引用元:映画ナタリー
視聴できるサブスク
Amazonプライムビデオでご視聴できます!
オススメポイント
瞬き厳禁!鬼の伏線回収
今回のオススメする映画『ゆれる』は
どこをどう話してもネタバレになってしまいそうなぐらい
伏線が散りばめられており、
その伏線をキッチリ回収してくる映画です。
どんでん返し映画として紹介しているぐらいですから、
その伏線の回収の仕方も
うわ!ここでこれが回収されるのか!
と、予想のできない回収のされ方がされるのです
・伏線が特別多いわけでもない
・見落としてしまうような小さな伏線であるわけでもない
目につくように堂々と伏線を張ってきて、
そしてストーリー展開の中で”驚き”と”裏切り”によって回収される。
やられた!と思う反面、ストーリーの雰囲気とは対照的に
爽快感を感じるような展開となってます!
オープニングイメージ
人間の卑しさ
あらすじにもある通り、猛は母の一周忌の為、
数年ぶりに山梨の実家り帰るところからストーリーが始まります。
シーン冒頭。
田山涼成さん演じる和尚さんが親族にご挨拶をしている中、
クリーニングから返ってきたスーツをそのまま腕にかけ、
着替えも済んでいない猛が遅れて到着する。
そのシーンで和尚は挨拶の中でこんなことを話しているんです。
『泣きたくなるような気持ちを、ぐーっと堪えて、
自分の弱いところを人に晒されないように、
いかめしくしてみたり、周りのものに反対に牙を向いてみたりと、
益々卑しくなってしまうもんです。』
まさに今作のテーマとなっているのかなとばんさんは感じました。
オダギリジョーさん演じる猛(弟)と
香川照之さん演じる稔(兄)の兄弟がストーリーの主軸となっています。
兄弟というのは、どんなに仲が良く見えていても
相手に気を遣っていることや、劣等感を持っていることがありますよね。
ばんさんにも兄弟がいますが、
多少なりとも羨ましさや、
自分にはないものへの嫉妬を感じることがあります。。。
皆様にもご兄弟がいらっしゃれば、少なからず経験ありませんか?
例えば
兄姉であれば、両親はなぜ自分だけこんなにも厳しいのか
弟妹であれば、兄姉ばかり親に期待され、贔屓されている
なんてことは小さい時の記憶のどこかにあったりするのではないでしょうか?
そんな兄弟間の関係性を人間の卑しさを交えて伝えてくる映画です。
愛情か憎しみか
その後シーンが進むにつれて、猛と稔の近状がわかって行きますが
稔:田舎に残り父のガソリンスタンドで働き、
長男として家では炊事洗濯、父の講釈に付き合う毎日
猛:東京に出て売れっ子カメラマン。自分にしか出来ない仕事をし、
いろんな人とあい、兄と違ってモテる。
我慢の少ない自由な生活(のように見える)
こう見ると兄が少なからず弟に嫉妬を抱いてもおかしくないと思えます。
憎しみとまではいかないが、自分が長男でなければと思ったことがあると、
予想してしまうのではないでしょうか。
ですが、二人の会話を見ると、
上辺上は兄弟間や、父に対して、そして亡くなっている母への愛情は少なからずあり、
お互いはお互いの人生を応援し、自分には出来ないことだと敬っている。
そう少なからず。そして、上辺上は
兄弟は翌日、真木よう子さん演じる幼なじみ、智恵子と
幼い時によく行った”蓮見渓谷”にドライブに向かった。(※蓮見渓谷というのは架空の場所)
トンネルを抜けた先、
タイムスリップしたかの如く、
子供の頃のようにはしゃぐ稔、
猛もカメラを握り、久方ぶりの景色に興奮していた。
でも、
タイムスリップしたわけじゃないんです。
時間は進み、みな大人になっているのは変わらない。
その後起きる事件によってこの兄弟の関係性が崩れていく。
愛情があった二人
それとも元より憎しみを持っていたのか
それはいつから生まれたのか
それは、今持っている愛情をひっくり返してしまうのか
トンネルのシーンはそう思うとちょっと不気味に感じてきます。
車内の三人のお芝居にも注目です!
ばんさん的オススメシーン
先ほどもお伝えしましたが、この映画「ゆれる」は
どこのシーンを話してもネタバレ要素になってしまうほど、
伏線が散りばめられているので、これ以上シーンのお話をしてしまうと、
話しも長くなってしまうし、楽しみを減ってしまうと思います。
なので!
中でも伏線要素の低いシーンと、監督、西川美和さんのお話をします!
” 赤 ” を使った描写
猛の普段の服装で、印象的なのが
真っ赤なパンツと真っ赤な革ジャン。
いくら東京で売れっ子カメラマンと言っても、
時代関係なくド派手で、
ファッショナブルさが行きすぎているような格好です。
(それを着こなしちゃってオダギリジョーさんがまたかっこいいんですけど)
また、タバコに火をつけるライターも赤。
スーツとともに持ってきたネクタイ赤。
前髪にも赤のメッシュ。
いや、
むっちゃ赤好きじゃん。
そう思っていると、智恵子の部屋のシーン。
枕カバーが赤。
布団も赤。
テーブルスタンドの明かりも赤。
そして、その明かりが照らしているのは猛が過去に出した写真集の数々。
赤がリンクすることで、
智恵子の猛に対する憧れや、
好意があると感じさせるわけです。
部屋を後にする猛。その後に映る切りっぱなしのトマトのワンカット。
そして、猛の置いていったタバコの匂いを嗅ぐ智恵子。
ただの幼馴染ではない。
そして、久々の再会の前にも、二人の関係に何かあったのかな?
とにかく!!
赤が紐づける関係性は、みているこちらの想像を膨らましていきます。
そしてその赤を身に纏っていた猛は最後にどうなるのか。
注目してみると面白いかもしれませんね!
原作なしの映画オリジナル脚本
昨今、小説や漫画原作の映画が多いですよね。
それは要するに原作が存在している作品が多いということです。
この作品はデビュー作「蛇いちご」で数々の賞を取った
日本でも有数の女性映画監督、西川美和さんの長編2作目の監督作品で、
原案も脚本も監督ご本人が書かれた作品です。
つまり、もう映画にする前からストーリーが評価されていて、それを映画化するわけではなく、
この映画の為に書かれた話の為、ストーリー自体に前評判が全くない状態で公開された映画というわけです。
その中で、
2006年 カンヌ国際映画祭 監督週間正式出品
引用元:ゆれる|株式会社分福
第61回毎日映画コンクール 日本映画大賞 / 録音賞(白取貢)
第49回ブルーリボン賞 監督賞(西川美和)/ 助演男優賞(香川照之)
第80回キネマ旬報 日本映画ベスト·テン第2位 脚本賞(西川美和)/ 助演男優賞(香川照之)
第31回報知映画賞 最優秀助演男優賞(香川照之)
第21回高崎映画祭 最優秀監督賞(西川美和)/ 最優秀主演男優賞(オダギリジョー、香川照之)
第28回ヨコハマ映画祭 作品賞 / 監督賞(西川美和)/ 脚本賞(西川美和)/ 主演男優賞(香川照之)
第30回日本アカデミー賞 優秀主演男優賞(オダギリジョー)/ 優秀助演男優賞(香川照之)
第16回東京スポーツ映画大賞 作品賞 / 監督賞(西川美和)/ 助演男優賞(香川照之)/ 新人賞(木村祐一)
第30回山路ふみ子映画賞 新人女優賞(真木よう子)
第49回朝日ベストテン映画祭 日本映画1位
第2回おおさかシネマフェスティバル賞 日本映画ベストテン第1位
第58回読売文学賞 戯曲·シナリオ賞(西川美和)
キャスト陣の賞含め、これだけの映画賞を受賞している作品なのです。
西川美和さんが、とあるインタビューで「ゆれる」を作る上でこんなことを考えていたと話していました。
−同じ環境下で育てられてきて土台は平等のはずなのに、いろんな差別とか会場の差があるとかで持って生まれた能力・容姿で掴めるチャンスにどうしても差ができるのが人間で。どうして同じ兄弟なのに、どうして同じものを与えられたはずなのにこうなるんだろうか。嫉妬とか憎しみとか、それでもきれない愛情とかは人間関係のベースだと思うんですけど−
引用元:明治学院大学
オープニングイメージのところでもお話しましたが、やはり兄弟間での嫉妬や憎しみは多少なりともあって、それでもこの血のつながりはちょっとやそっと、よっぽどのことがない限り切れないもので、それはなんとももどかしいもの。
それが人間のベースだと西川美和さんは話されています。
なぜ、インタビューのここを抜粋したか。
それは兄の稔が、あるシーンで
『なんで?なんで?なんで俺ばっかり?』
と嘆くところがあるんです。
西川美和さんは”奪う者、奪われる者”という対立構造の映画を作る上で、
兄弟という関係性を用いたと話していますが、とにかくこの兄弟間の憎しみが
見ている人へ、緊張感とリアルさを感じさせているんだと感じました。
最後に
映画を制作する制作会社も映画が売れなければいけないわけで、その為にもう人気となっている作品を原作に用いいることは至極真っ当な方法である中で、
この映画の為に書いた本で作品を作る。この気合いが感じられる映画「ゆれる」
オダギリジョーさんもインタビューで、
20代最後の出演映画で、ものすごく気合が入っていたと話すほど、
制作に関わっている人達全員が本気で作っているのがわかります。
(もちろん映画をつくっている全ての方々がそうなんですけどね)
『いや、そんな難しいことわかんないよ〜。なんか他のオススメポイントない?』
と思った方
オダギリ・ジョーがめちゃくちゃエロくてかっこよくて
真木よう子が無茶苦茶可愛いから見て
もうこれだけで見る価値あると思います笑
期待を裏切らないどんでん返しも楽しんでいただけたらと思います!
現在『ゆれる』はAmazonプライムビデオでご視聴できます!
ミステリー、どんでん返しがお好きな方はぜひ、ご覧になってみてください〜!
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最後までご覧いただき誠にありがとうございます!!
では、また違う記事で!ばんさんでした!おす!
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